そして、

暮らしのエッセイ|webzine by Miho Abe

ジルコニアの歯を入れました /歯科治療の記録

歯が欠けたような気がしたのをきっかけに、昨年の秋の終わり頃から歯科に通っています。

Uターンしてからは昔のカルテが残っている方がいいだろうと思い、子どもの頃から通っていた歯科医院で妊婦歯科検診や年一程度のクリーニングを受けていたのですが、今回思い切ってクリニックを変えました。

すると、治療の方針に大きく差があることにびっくり。

長年掛かっていた歯科は、なるべく歯を削らないで残した方が良いという考えだったようで、ほとんどが保険内でできる最低限の治療。処置時間も短く、そのせいか歯医者さんが怖いとかんじたことは一度もありませんでした。むしろウィーンと昇降する椅子や口を濯ぐと紙コップに水が自動で継ぎ足される水栓の近未来感に心躍っていたのです。

しかし今回あたらしくお世話になっているクリニックでレントゲンを撮ってみると、まぁ大変これはもう要治療の歯だらけですということになってしまいました。妊娠期間でかなりダメージが進行したのでしょう…… つわり中は飴かガムが口の中にないと眠れなかった……

欠けた歯は左上の5番臼歯で、神経まで虫歯が進んでいるとのこと。それってもっと痛みを感じるものじゃないのか……? 気圧の影響で頭痛や若干の歯痛がすることがあっても、なんでもない時は問題なく過ごせてしまっていました。

「このままにしておくとどんどん割れてしまうので、歯根の神経を取り除いて薬をいれます。そこに土台を差し込んで被せ物をしますね」と説明を受け、具体的にどんな状態になるのかよくわからないまま、今まで体験したことのない歯科治療がはじまりました。

ゴリゴリと鈍い振動が骨に伝わる根幹治療。初めて「歯医者さん怖い」の意味がわかりました。土台を差し込むために元の歯の形はなくなりました。体感的には歯に小さな穴が空いたなというていど程度だったのに、もうここまで瀕死だったのです……

歯科に通いはじめてから歯ブラシを見直し。毎日フロスをするのはなかなか大変なので、歯間や歯茎と歯のさかいに毛先が入りやすい形のものを選んでます。このアメリカンな色合いもだんだん好きになってきた|生葉(しょうよう)歯間に入るブラシ/小林製薬

マウスウォッシュはポンプタイプを使うことで億劫さが軽減されました。こういう工夫が大事

さらに、保険適用で一回数千円の治療しか受けたことがなかったわたしは、被せ物の素材を選ぶ段階で“歯科治療は高い”と言われる理由を知ります。

保険適用で選べるのは銀歯か白いプラスチック。今回の前から5番目の歯は、普段の生活でもギリギリ見えるかなぁという位置だったので、色は白い方がいい。しかし噛み合わせで力のかかる歯なので、プラスチックでは強度が足りず、早期に割れてしまう可能性がきわめて高い…

根幹治療の大工事もしたので、これはもう歯を失う半歩手前と考えて、なるべく丈夫な上位素材を入れておくべきか…と自費診療を選択しました。予期せぬ出費です(涙)

出来上がったのは人工ダイヤモンドとも呼ばれるジルコニアのクラウン義歯です。10万円近い宝石が自分の体の一部としてくっついているのはなんとも不思議な気持ち。わたしの場合、結婚指輪といい勝負なんじゃないかしら。一生物というわけにはいかないのかもしれませんが、できるだけ大切に長持ちさせたいものです。

セットする前に写真を撮らせてもらえばよかったなぁ。ツヤツヤで子どもたちの乳歯みたいだった。

こどものとも『いいはがはえおまじない』まるやまあやこ/福音館|抜けた歯を投げるとき、長男とこの絵本のおまじないを唱えています

3ヶ月でようやく一本の治療が完了したもののまだまだ通う必要があり、今年は口内環境メンテナンスイヤーになりそう。この歳になって両親に一つ文句を言うとしたら、子どもの頃に歯の大切さをあまり説いてもらえなかったことかも…… 一生物とはわかっていましたが、無頓着だったことに反省しました。

5歳の長男は乳歯の生え替わりが早いようで、年明けにすでに4本目が抜けました。子どもたちには、歯の大切さを反面教師的に伝えていければと思います(苦笑)